令和4年経済労働委員会 2023年6月23日

【富田昭雄委員】
 若年層の就業については、ミスマッチなどにより早期に離職することがあると聞いている。新聞には、15歳から24歳までの失業率が全年齢と比べて高いと書いてあった。恒常的に続いているとしたら問題であると思うが、本県としてどういう認識であるのか。また数字があれば示してほしい。

【就業促進課長】
 昨年の失業率は、全国が2.8パーセントに対して、本県は2.5パーセントであった。一方、15歳から24歳までの若者の失業率については、全国が4.6パーセントに対して、本県は3.6パーセントであった。
 本県は全国に比べて低いが、全国、本県ともに若者の失業率は他の世代よりも高い傾向にある。この要因の一つとして、若者の離職が多いことが挙げられる。
 厚生労働省の調査によると、卒業後、就職して3年以内に離職する者の割合は、2018年3月の卒業者について、中学校の卒業者が55.0パーセント、高等学校の卒業者が36.9パーセント、大学卒業者が31.2パーセントである。
 また、厚生労働省の別の調査によると、離職の理由としては、労働時間、休日、休暇、賃金などの条件がよくなかった、仕事が自分に合わないというものが多いと聞いている。

【富田昭雄委員】
 若年層の就職先がないのは大変なことであり、非正規雇用や就職ができないとなると、税金を払う人が少なくなるという問題もある。シニア世代に対して60歳を過ぎても雇用を継続したことが、若者の就業の圧迫になっているという背景もあると聞いている。
 他方では、ミスマッチの問題があり、福祉、建築、土木などの分野は、非常に求人倍率が高いが、そこには若者が就職しない原因を考えなければならない。
 昔からそうだが、ほとんどの学生は、学校を卒業してすぐに就職をするが、職業、会社を簡単に選んで、思っていた仕事と違うから辞めてしまう。次の就職先があればよいが、その後、就職ができず、家庭も持てないという負のスパイラルに入ってしまう。
 こういう構造的なことが問題であれば、教育委員会と連携して、就職、就業する段階でなぜ早く辞めてしまうのか離職の原因を徹底的に考えないといけない。もし就職する前に仕事の内容を経験した方がいいのであれば、在学中にインターンシップを取り入れたり、説明会を開いたり、働くことに対する意識、意欲を持ってもらうことも必要であると思うが、本県としての取組を伺う。

【就業促進課長】
 若者の早期離職を防ぐためには、自らの適性などへの理解や、業界、業種への理解を深めることが必要である。また、早期離職した若者の就職を促進するためには、企業とのマッチングの機会の提供などの支援が必要である。
 本県ではヤング・ジョブ・あいちにおいて、学生や若年求職者に対して、継続的かつ包括的なキャリアコンサルティングやメンタル面の相談に対応しているほか、職業適性診断、面接対策などのセミナーや、職業紹介などの支援をワンストップで提供している。
 また、大学3年生などを対象に、中小企業の魅力を直接伝え、理解を深めてもらうことを目的に、中小企業の経営者と学生が直接語り合う交流会を開催している。
 さらに、毎年11月に開催されるメッセナゴヤに学生案内所を設け、来場した学生に対して企業ブースの回り方や担当者への質問の仕方などをアドバイスし、学生の企業研究を支援している。
 そのほか、未就職者や離職した若者などを対象に、企業とのマッチング機会を提供するため、地域別就職面接会を年10回開催し、若者の就職を支援している。
 これらの取組を通じ、一人でも多くの若者が希望に沿った企業に就職できるよう、支援していく。

【富田昭雄委員】
 地域別就職面接会の応募及び就職状況について伺う。

【就業促進課長】
 昨年度、本県で10回、市町村などと合同で2回、合計12回開催しており、参加者は901人であった。
 このうち、本県で開催した10回については、769人が参加し、昨年度3月末時点で、41人が就職をしている。

【富田昭雄委員】
 中小企業からは、人がいないという声も聞いており、やはり若者が入ってこないと困る。求人募集をするにも多額の費用が要るので、行政が安価な形もしくは無料で様々な中小企業の案内を、学生に周知することにより、福祉、土木業界など、多様な仕事があることを若者に認知してもらうことが大事である。民間だと、アプリケーションソフトウェアなどを使っていろいろな情報提供をしているが、ぜひ行政も乗り入れ、中小企業の求人の紹介をし、それを見る機会を増やしてほしい。
 また、若者が離職しても就職活動ができたり、キャリアが足りなければ、技術を習得していくことができる制度をつくってもらいたい。
 日本もキャリアを積んで、何度も再就職ができる形態がこれから増えてくると思うが、それに対応する環境整備をしていかなければいけない。大学を卒業して就職し、定年まで働く時代ではないと思うが、本県の意見を伺う。

【就業促進課長】
 依然として新卒の一括採用という流れは日本においては強いと思うが、雇用の在り方が変わってきたように、既にいろいろな形で転職が起こり得る状況になってきている。
 一方、働き方改革で若者の意識や企業に対する考え方も変わってきている。ミスマッチが生じないよう、企業や学生に働きかけをして、よりよい形で就職できるよう、様々な支援をするとともに、必要な情報発信を行っていく。

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