令和4年経済労働委員会 2022年12月12日
【富田昭雄委員】
AIを使った技術ではフラクタが有名であり、全米では26州と契約を締結している。本県でも豊田市が契約しているようだが、古いものから順番にやるよりも、リスクの高いものを先にやると、破裂する確率が3割から4割低くなると言われている。
周囲の地盤や地形などのパターン、工事の年月等のビッグデータをAIに読み込ませて解析し、どのような順番でやるのかを企業が提案するわけだが、こういった技術も含めて、いろいろなものを取り入れながら計画を練ってもらいたいが、どうか。
【水道事業課長】
豊田市で導入されている新技術については、昨年度企業庁においても聴き取りを行い、県営水道に応用可能かどうか検討を進めている。
市の水道と比べ、県営水道は布設された面積が広いことや管の口径が大きく、深く埋まっていることから、豊田市の事例をそのまま適用することは難しいと分かっているが、新技術を用いた管路の老朽化診断は非常に重要であり、県営水道に則した形で、効率的な管路更新を行うべく、検討を始めている。
【富田昭雄委員】
ぜひ新技術を取り入れながら、効率よく進めてほしい。
その場合、水道料金に占める水道管の費用は、工事費も含めてどの程度を占めるのか。
【水道計画課長】
管路については、供用開始から法定耐用年数等で減価償却をしており、毎年度料金がかかる。全体の減価償却費の約2割が管路であり、現在、回収している。
【富田昭雄委員】
水道管の費用も織り込み済みということであるが、今後人口が減り、気候変動があり、突発的な事故も危惧される中、将来を見据えた計画をしっかりと練って、水道事業を進めていかなければならないと思うが、水道管の費用が膨れ上がっていくことはないのか。これらの要素も見込んで、40年を超えた水道管を計画的に更新していくことができるのか。
【水道計画課長】
企業庁の経営については、経営戦略を作成し、長期的な視点を持って事業を運営している。
管路や施設の更新は、それぞれ更新計画等に基づき計画的に進めており、その計画が終われば新しい計画を立てる。
現在、令和7年度までの経営戦略であり、時期が来れば次の経営戦略を策定し、計画的な事業運営に取り組んでいく。新しい技術も取り入れながら、管路更新の仕方も見直しをしつつ、安定的な経営をしていけるよう、長期的に対応していきたい。
【富田昭雄委員】
水道管があちこち破裂し、それが水道料金の値上げにつながることがあってはいけない。長期戦略を考えながら、ぜひ進めてほしい。
もう一つは、役所の水道局の人材が不足しており、民間企業においても人材が育っていないと聞くが、大丈夫か。
【水道計画課長】
企業庁には、水道関係の技術者が300人ほどいる。これまで、ベテランの職員等が大量に退職した時期もあったが、計画的に人員を確保している。
また、人材育成として、入庁から段階的に専門技術を習得できるよう研修等を計画的に行っており、現場でのOJTと併せて若手職員に技術を継承することで、今後も安定的に事業が運営できるよう努めている。
【富田昭雄委員】
技術はAIを活用するが、最後の判断は人間であるため、経験値がある人が水道事業に携わらなければならない。事業者に安定的な工事を進めてもらうためにも人材の確保は大事であるため、その辺りを考えてほしい。
水道事業に限らず、インフラ施設で考えると、ガス管や電気の鉄塔も老朽化しており、整備が必要な時期に来ている。
水道事業について、コストが膨れ上がらずに、安定的に運営するためにも、先を見据えた計画が大事である。その辺りを見据えてしっかりと計画を立ててほしい。
これから水道管は、そういう技術を駆使すれば、ある程度破裂などの事故を起こさずに進めていくことができるのか。
【水道事業課長】
水道管は地中に埋まっているため、今回の新しい技術を用いて、できるだけ危険度の高いところを的確に把握し、限られた予算や人員を活用して、大きな水道事故がないよう努めていく。
【富田昭雄委員】
ぜひ様々な市町村や民間企業と連携し、進めてほしい。