令和5年建設委員会(1) 2023年6月29日

【富田昭雄委員】
 県営住宅と空き家対策について伺う。
 県営住宅であるが、私の地元の県営高針住宅も空きが沢山あるという話をよく聞くし、大変老朽化してきたため、入居する人が少なくなってきていると言われるが、以前から比べると、共益費や駐車場代を自治会が集めることがあったが、大分改善されてよくなったと聞いている。
 空き家が多いことについては、公的な資産が活用されているのか。県営住宅の今後の在り方を単純に年間1棟ずつ、どこかの県営住宅を新しくしているだけでよいのかと思うが、まず、現在の管理戸数と空き家戸数はどれぐらいなのか、率も含めて伺う。

【県営住宅管理室担当課長(県営住宅)】
 県営住宅の管理戸数については、2023年4月1日現在で5万7,049戸である。そのうち空き家の戸数は1万2,532戸で、空き家率は約22パーセントとなっている。

【富田昭雄委員】
 建て替えるために空けていかなければいけないが、全体的にいうと相当な空きがあり、内装にお金をかけられない予算措置といった問題もあるが、2割空きがあることについて、県営住宅の建て替えをどう進めていくのか、県営住宅の在り方も含めて、県の指針を問われると思う。
 昔は大家族で、高度成長期はファミリータイプを増やしてきたが、だんだん核家族世帯になり、最近は単身世帯であり、そういう意味では、少しタイプが変わったものも出てもよいのではないかと思うが、県営住宅の今後の進め方について、どう考えるのか。

【公営住宅課担当課長(計画・建替)】
 建て替えをする住宅の選び方については、1970年代半ばまでに建設され、エレベーターが設置されていない3階から5階建ての住宅を対象に選定している。
 建て替え後の新しい住宅については、建て替え前の入居世帯が一度、団地内の他の住宅やほかの既設県営住宅に仮移転した後、建て替え後の新しい住宅に戻る、いわゆる戻り入居が前提となっており、直近3年間で完了した7住宅中、5住宅では約8割の人が戻り入居をしている。
 そのため、建て替え後の新しい住宅では、建て替え前の入居世帯の世帯構成に応じた住戸タイプを設定しており、1人または2人世帯については2DK、3人以上の世帯については3DKを基本としている。

【富田昭雄委員】
 要は、今入っている人を優先するので同じようなものを造っていくという話だが、昭和40年代、50年代の建築が多いことで、どれぐらいのペースで進めているのか。また、住戸のタイプはどのようなものか。

【公営住宅課担当課長(計画・建替)】
 建て替えの戸数であるが、年度により若干変動があるが、おおむね350戸ほどで進めている。

【富田昭雄委員】
 戸数を聞いているわけでなく、全体からすると、どれぐらいのペースで建て替えをしていっているのか。当然、終わらないが、一つの県営住宅を建て替えることでいうと、予算措置から、全体のどれぐらいが老朽化していて、どれぐらいのペースで建て替え計画が進んでいるのか。

【公営住宅課担当課長(計画・建替)】
 県営住宅の建築ストックであるが、1980年代までに建設したものが約半数を占めており、今後一斉に建て替え時期を迎えることから、事業の平準化等が課題となっている。2020年に愛知県長寿命化計画を策定しているが、今後10年間で、既存の住宅を6,900戸建て替えていく計画としている。

【富田昭雄委員】
 50パーセントが古く、計画は予算とにらみ合いだが、空き家が2割あることは、対策は真剣に考えてもらわないといけない。
 今入居している人が優先して入るため、新規で入る人が少なく、空き家が埋まっていかない。
 私が常々言ってるのは、単身者用がないことである。単身者用の1LDKを造れといっているわけでもなく、2DKが貸せるならば、それはそれでよい。ただし、それを貸さないのであれば、今入居している人たちが優先され、新しく新規で入れない。建て替えずに置いてある住宅が空き家のままであり、そこにも入らない。その辺の対策が必要だと思う。
 高齢者が非常に多く、単身者もこれから増えてくるが、単身者用の小さな住宅を造る考えはないのか。

【公営住宅課担当課長(計画・建替)】
 建て替え後の新しい住宅に戻り入居した単身者が、入居後に事情により退去した後、新たな入居者を募集する場合に、2DKであれば、単身者用に募集することも一般世帯向けに募集することも可能となる。
 建て替え後の新しい住宅を単身者用で建設した場合、戻り入居した単身者が退去した後の募集では、単身者向けに募集することとなり、一般世帯の選択肢が減ってしまうこともあるので、住戸を有効に活用するため、より選択の幅がある2DKで供給している。

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