令和5年建設委員会(2) 2023年10月12日

【富田昭雄委員】
 ぜひむらなく発注してもらえるようお願いする。
 これは私が聞いた話であるが、設計や見積りについて以前と比べると、最近は時間がないのか、コンサルタントに投げ、そこで作製した図面や設計があまりにも現場と乖離している。後で設計変更が多すぎることもあり、しっかりした打合せをしてくれない。現場を知っている人がいないのか、それとも時間がないのかはよく分からないが、設計変更が後で多くなると困るので、しっかりした図面で打合せをして、積算した見積りが出るようにしていかなければいけないと思うが、県としてどのように発注時チェックをしているのか。

【建設企画課担当課長(技術・検査)】
 本県では、それぞれの場面で、状況に応じた様々な確認を実施している。
 まず、設計時には、着手前に発注者と受注者双方で、合同現地調査やチェックリストを活用し、設計に対する現地条件を確認している。また、受注者で照査技術者を配置するとともに、設計成果品の納入時には複数の県職員で確認しているため、設計と現地が大きく乖離した粗雑な設計成果品はない。
 こうしたチェックを踏まえても、想定と異なる土質の掘削作業や地元住民要望などの対応のため、仮設工法や施工方法の変更が必要となり、設計変更や工期の変更が生じることがある。
 次に、発注時には、積算ミス事例集や積算時重点チェックポイントを活用して、複数の県職員で検算を行っており、積算ミスを少なくしている。
 最後に、工事着手時には、設計施工条件確認会議を実施し、発注者、受注者及び設計者で、設計意図、施工に関する課題を共有するようにしている。
 今後もこうしたチェック体制を進めることにより、適正な発注に努める。

【富田昭雄委員】
 大きく乖離したものはないと答弁をもらったので、信じることにする。私も下請業者から聞いただけだが、平面図のような2次元は違う人が二つ書くと精度が落ちるので、BIMという3次元の新しい技術が有用であるが、なかなか扱える技術者がいないとのことである。そのような人材が不足しており、後で手直しすることがないように、技術が進化した部分は取り入れ、建設業界全体も変わらなくてはいけないが、建設局もDXを駆使しなければならない。
 今までのように、土曜日も働いて、工期を守らなければ罰金という慣習をどう変えていくかが一番大事だと思う。暑い日も大変な工事現場である。今年は特に暑く、猛暑の中で皆働いている。どうしても工期を守らなければならない。それで同じ賃金だと、その業界に入っていこうという人はいないかもしれない。
 この業界を守りながら、特にこれから老朽化したインフラを守っていくためには、建設業界の人たちはしっかりやってもらわなければならないが、人手不足によって会社が潰れていくようでは困るため、県としてどのように取り組んでいくのか。

【建設局長】
 建設業界は深刻な人手不足である。私どもも、人を集めてくるところから、工事の現場の環境を非常によくしなくてはいけないので、トイレや週休2日を土木部門で導入している。今後、建築部門も含めて、週休2日が一般的になり、若い人たちの入職を促していきたい。
 また、猛暑について、熱中症が危険な状況では工事を休んでもらい、そういうことも勘案して、変更契約を行い、経費を見ている。休んだから工期が間に合わなかったからといって罰則を求めることはない。しっかりと工期も取れて、猛暑のときはしっかり休むことで、一体となってやっていきたい。
 DXについては、BIMという設計も、いろいろな規格がありコンサルタント業界でも統一したものがまだ普及していないが、私どももそれを導入してもらえば現場の管理も簡単になり、出来上がったものの管理にも非常に活用できるので、積極的に活用していきたい。

【富田昭雄委員】
 ぜひ人件費の引上げについても考えてほしい。

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