令和7年教育・スポーツ委員会 2025年10月7日

【富田昭雄委員】
 私から大きく二つ聞きたい。
 一つは中高一貫教育のことである。もう一つは公私比率について聞きたいと思う。
 中高一貫校については、先日、名門刈谷高等学校、半田高等学校の附属中学校を視察した。よかったと思っているが、視察して幾つか、私なりに気になったところがあるので率直に聞きたいと思う。まず、着るものが自由である。体操服を着ているところもあれば、制服だけのところもあり、制服もいろいろ着ている、それをとやかく言うつもりは全くない。半田高等学校附属中学校と刈谷高等学校附属中学校では全然違った。最初に行った刈谷高等学校附属中学校は服装がばらばらで、後で行った半田高等学校附属中学校は制服であるが、違う制服を着ているようにも見え、見たときに何となく東京の千代田区立麹町中学校を見に行ったときと同じような感覚があったので、自由なのだろうと思った。一つ気になったのは、高校へ入ってもクラスはこのままいくのかと校長に聞いたら、刈谷高等学校附属中学校はまだ今のところ様子を見て考えると言い、半田高等学校附属中学校はもう交ぜると決めていると言っていた。学校長の権限でそういうことがやれるのか、それは非常に気になった。普通は中高一貫でやる場合、私学は一貫でずっとそのまま行く特別コースみたいなものがあるという感じがあるが、交ぜるなら交ぜるで最初から言わなくてはいけないし、交ぜるという学校の副校長は、そういう子が入ったほうが刺激になって、一つのカンフル剤があってよいというようなことも言っていた。教育委員会としてそういう考え方はないのか、学校に任せるのか。

【中高一貫教育室長】
 附属中学校で探究学習に重点的に取り組み、探究スキルを高いレベルで習得した、附属中学から進む内進生と、高校入試に向けて各教科の知識をしっかり身につけた高校から入学してきた生徒である高入生が混合することは、お互いのよさを発揮して、共に高め合っていく点で有益である。
 一方で、中学の3年間、自分のテーマを設定して探究学習に取り組んできた内進生と、高校から探究に取り組む高入生では、探究の進度や探究スキルの習得状況に差異があることが考えられる。そのため、混合の時期については、各校における内進生の様子を踏まえながら、実情に応じて定めることが適切ではないかと考えている。
 混合の時期は、今後の学校の在り方にも関わる重要な課題でもあるので、内進生と高入生が刺激し合いながら、化学反応を起こして、共に成長していけるように、県教育委員会と学校が一緒になってしっかりと決めていきたいと思っている。

【富田昭雄委員】
 それは、全然答えになっていないと思う。聞いているのは、今頃そんなことを現場で決めさせてよいのかと聞きたい。教育委員会にそういう考え方がないのかということである。今の話を聞くと、どっちもありと言っている。募集するときに、特別コースで6年までは80人でいくと言うなら分かる。交ぜるなら交ぜるで最初から言わないといけないし、公立だから交ぜるのが当たり前だというなら言えばよい。今、どっちもよいからどっちもこれから考えると、そんないいかげんな話はないと思うがどうか。

【中高一貫教育室長】
 半田高等学校附属中学校は、既に1年生の時期から混合と決めているが、ほかの学校はまだどんな子が入ってくるかも正直分からないところもあるので、少し様子を見て、時期も含めて、学校といろいろ相談しながら決めていきたいと思っている。

【富田昭雄委員】
 それはそうしてほしい。教育委員会としては、きちんとした指針がないとおかしいと思う。愛知県は後発の後発であり、他県を見てくれば幾らでも答えが出ているはずだと思う。なおかつ、この何年かでそれに追いつくようにやる。それを、様子を見てやるというが、様子を見る者の感覚がおかしかったらどうするのか。
 中高一貫でチェンジ・メーカーを育成するために探究、探究といっているが、麹町中学校は期末テストや中間テストもない。担任もいない。自由にやっているが、たぶん総合学習の時間だからそういう感じだったと思う。ほかの授業はきちんと指導要領に応じて教えていると思うが、これはこれで指導要領に応じて教えて、3年間でこれだけは覚えなければいけないという、いわゆる大学受験に向けて、今までどおりの暗記を主体にしたものをやっているのか、そうではなくて、それも含めて探究するのか教えてほしい。

【中高一貫教育室長】
 県内調査で見た授業が、主に両校とも総合的な学習の時間であったことから、生徒のペースで自由に進めているように見えたかもしれないが、県立の附属中学校においても当然学習指導要領に基づいて授業を行っており、各教科の知識、技能をしっかりと習得させることは市町村の中学校と変わりない。評価についても、定期テストよりも教員の負担は増えるが、単元ごとにテストを実施するなど、生徒の理解度をこまめに把握するとともに、理解が不足している部分については、必要に応じてフォローしている。また、こうしたテストのほかに、レポートやプレゼンテーションなどにより学んだ知識を十分に活用できているかや、探究スキルが身についているかなど、チェンジ・メーカーの育成に向けて各校が伸ばしたい力が成長しているかなどを確認している。当然、暗記という部分も、全てではないが、そういうところも含まれてくると思っている。

【富田昭雄委員】
 そうすると、探究という部分での教え方の技法はどうやって変わったのか。どういうことをもって探究といっているのか。

【中高一貫教育室長】
 本県の中高一貫校では、生徒一人一人の興味関心に基づいて、探究学習によりチェンジ・メーカーを育成することを目指しているが、そのため、各校では工夫を凝らしながら、この間調査した半田高等学校附属中学校では外部講師を呼ぶための準備を進めていたが、そのための探究の授業を実施している。探究学習を通じてどれだけ知識が身についたか、身につけた知識を十分に活用できるか、探究のスキルの習得状況などについて、プレゼンテーションやレポートなど、様々な方法で評価している。

【富田昭雄委員】
 外部講師が来たから探究が深まるとは思わないので、その後のレポートとプレゼンテーションとは、それは授業の中でプレゼンテーションをさせたりレポートを書かせたりして、その人の考え方を評価するということか。いわゆる、記憶だけではない授業のやり方そのものが変わらなければ探究なんて起こるわけないと思うがどうか。

【中高一貫教育室長】
 毎時間プレゼンテーションやレポートを提出させるわけではないが、例えばプレゼンテーションだと相手に分かりやすく伝えられているか、データに基づいて論理的に考察できているか、適切な評価手法が取られているかなどを評価している。一律に暗記みたいなことではない形にはなっている。

【富田昭雄委員】
 チェンジ・メーカーに一番必要な要素は何か。

【中高一貫教育室長】
 端的にいうのは難しいが、失敗を恐れずに何でもどんどん問いを続けていく。すぐ目の前にゴールがあるわけではなくて、また次のゴールがあって、またその次にゴールがあるような、どんどんチャレンジしていくことが、チェンジ・メーカーになるきっかけの一つの考え方ではないかと思っている。

【富田昭雄委員】
 それをするために、授業にどういう変化があったかと聞いている。今までと同じ指導要領でやっていては変わらない。それではチェンジ・メーカーなど出てこない。自分の頭で考えて、自分で行動ができるという子供たちを育てていく。そのために、暗記ではなくて自分からテーマを見つけて、そのテーマに向けて自分で取り組んでいく子を探すということだろうと思う。
 麹町中学校を見に行ったときに思ったのは、数学であれば、教えるときにクラスを三つに分けて、同じ内容をやっているが、前を向いて先生が教えているのは1クラスだけ。それについていける生徒はついていくが、あとの2クラスは何をやっているかといえば、いわゆる端末を見ながら自習して、分からないと手を挙げれば先生が来て教えていく。先生に聞いたら、私たちの仕事はやる気スイッチを入れるだけだと言っていた。要するに、その子によって数学を学ぶにもスピード感が違うので、その子のスピードに合わせて勉強すればよいということだった。麹町中学校、日比谷高等学校、東京大学という昔から非常に優秀なところなので、そんなことをやらなくてもよいのだろうと思う。結局、半田高等学校も刈谷高等学校も昔の旧制中学校で、いわゆる名門であり、そういう子たちがどうやってチェンジ・メーカーになっていくのか、私は授業のやり方がどう変わってきたのかを聞きたかった。プレゼンテーションやレポートをやるということで、暗記は暗記でやるが、十分にそれができるということである。先ほどの、生徒を交ぜることも含めて、もう少し教育委員会である程度の結論を出したほうがよいと思う。現場に任せて、その状況に応じてなんていうことを言っていてよいのかという気はするが、中高一貫教育を、これから名門校だけではなくて、いろいろなところが出てくるが、どうやって6年間を仕上げるのか、これは大変なことだと思う。私が心配するのは、高校入試があったいわゆる中学の3年間を含めて、6年間の間にどう仕上げていくかである。それも中学校と高校の先生たちが、同じ先生が6年間一気通貫でやればよいが、そうでないとすると相当な打合せと状況把握が要ると感じる。これで、やったと言って5年後、10年後の愛知県の教育の仕上げがどうなるのか、そうなっていざ分からないでは大変なことになる気がする。中高一貫校の取組について答えがあれば言ってほしい。

【教育部長】
 今の中高一貫校の件について、富田昭雄委員から特に探究のことや授業のやり方等を示してもらい感謝している。
 我々としては、今言ってもらったように、6年間を通して人を育てるというのは非常に大事なことだと思っている。入試がないというのは今の子供にとって中学校3年間を過ごす目標としてもこれまでとは違った形になるので、まずは6年後のゴールを目指して、教員がしっかりとグリップして、計画を立てた上でやっていく必要があると思っている。いずれにしても、中学校は中学校、高校は高校という考え方ではなく、6年間一つの学校としてそういう意識を持って、しっかりと子供たちを育てていきたいと思っているので、また支援をもらえればと思う。

【富田昭雄委員】
 質問ではなく、私が視察に行って感じたことを率直に言うと、幾つか公立高校で6年の中高一貫校に聞きに行ったら、最初の頃は義務教育の中学校の先生が教えていたが、やはり高校の先生が中学校から教えることが一番よいということで、今定着しているのはどちらかというと、6年間同じ先生が、高校の先生が中学校から教えているところが多かった。
 それから、熊本県で中高一貫校をやっている学校は、全員で離れ小島へ行ってキャンプをやり、自分たちで何もないところから作るというサバイバルゲームのような体験をしているところもあった。いわゆる生きる力を育むということで、伝統的にそういう行事が始まったと聞いている。ぜひ愛知県も計画をしっかりとつくって、6年間で何をやり、この段階でどういうことを学ばせるか、今までと違うカリキュラムはここだというものをぜひつくって、大丈夫だということをしっかりやってほしい。そんな、3年たって高校に行ったら交ぜるかどうかを今の状況を見ながらやっているなんてことを言っているようでは、本当に仕上がるか心配している。
 次に、公私の比率について聞く。
 これは言わずもがなで、私学助成、今回の予算がついたことは大きな変化で、公立と私立の対比については私学が優勢になることが間違いなく、もう5年早まったのではないかと感覚的に思うが、これを今までどおり2対1で考えていたら大きな間違いである。この間も一般質問で県立高校の在り方に係る質問があって、検討すると答弁していたが、もうそういうレベルではないという気がしている。これについて、2対1の考えをまず聞きたい。

【あいちの学び推進課担当課長(教育改革)】
 全日制高校の生徒募集であるが、今はおおむね公立2対私立1の原則の下で、公私間の協議により、現在はパーセントでいうと66.7対33.3の比率で行っている。今後、中学校卒業者が一段と減少していくことに加え、高校授業料の無償化の影響により、中学生の進学動向は変化していくと見込んでいる。こうした状況の中で、中学生が安心して進学先を選択できるようにするためには、引き続き公立と私立が協調して生徒の受入れを図っていくことが重要である。公私比率については、おおむね公立2対私立1の原則を踏まえつつ、中学生の進学希望や進学実績を踏まえ、毎年度公私間の協議により柔軟に決定していきたい。

【富田昭雄委員】
 もうそういうことを言っているレベルではないということを言っているのであって、2対1とか、今の66.7パーセントという話ではなくなる。
 大阪府の事例を言うと、もう先進県で、相当前から私学が優位である。いわゆる年収の枠も早くから取り払い、徐々に上げて、ほとんど無償化をさきにやっているが、そのことで、大阪府立については100校ぐらい定員割れを起こしている。大阪府は条例で、3年連続で定員を割ると統合と決まっている。分かりやすい。だが、今になって大阪府立も大変なことになっており、地元の学校が3年定員割れするとなくなってしまう。地元の人たちからすると、それでよいのかという声があり、やり過ぎではないかという気はしているが、非常に分かりやすい。でも、だからこそ定員は大事であって、大阪府立は条例でいえば、地元の名門校であっても3年連続で定員割れすると学校が統合・廃校になる。そんな生ぬるい話ではないのである。この条例がよいとは言っていないが、もう公私が話し合ってというレベルではない。もう本当に私立に行く。そうすると県立高校は大きく定員割れする。そのレベルがどこまでいくかという話になって、シミュレーションはもうやっていると思うが、そんな生っちょろい話ではないと思う。あと5年後、2030年にどれくらいの着地でどれくらいを統合しなければいけないかというシミュレーションがある程度もう読めるはずである。子供が少なくなって、なおかつ私学に取られるわけだから、県立高校の在りようをどうするか考えておかないといけない。これから特にそうやって、今日も午前中、我々は公立高校のPTAの父兄との懇談があった。本当に県立高校、公立高校の魅力化をぜひやってほしいと聞いた。校舎をはじめ、非常に施設が古くなっているという要望もあった。でも、それをやってももう追いつかないところがある。なぜかというと、全部が全部やれない。どこをやるかというのを決めなければいけない。それをやるにしても、どこだということを選定していかないと、先ほどの中高一貫校ではないが、状況を見て話し合っていくなどと言っている場合ではないと思う。非常にそういう意味では厳しい。だが、半田高等学校にしても刈谷高等学校にしても名門であり、名門の同窓会はすごいものがある。そういうところはなくならないだろうが、いずれにしてもそういう県立高校の在り方について、しっかりと考えて答えてもらいたいと思う。

【あいちの学び推進課担当課長(教育改革)】
 まず、大阪府の例を出してもらった。大阪府立学校条例のことだと思うが、欠員を3年連続すると再編していくというところであるが、愛知県の現状を話すと、欠員を出している学校は、今、残念ながら70校ほどある。約半分に近い。それから、3年連続で欠員を出している学校となると、これも残念ながら今、50校程度ある。その学校だが、都市周辺部や山間部、それから半島部、そういったところに多い傾向もある。なので、募集定員の決定には、欠員状況の考慮も大事ではあるが、地区ごとの中学校の卒業見込み者や、進路希望の状況、それから地区間、市町村間の子供の移動の状況等もあるので、地域とよく話し合いながら決めている。いずれにしても、もし大阪府のような条例を制定すると、愛知県の状況から、県立高校を一気に減少させたり、また、都市周辺部から一気に学校をなくしてしまったりする状況にもなりかねないと思う。これは子供たちに大変な混乱を来すことになると思うので、まず、大変分かりやすいという話ではあるが、愛知県では今のところ大阪府のような条例の制定は考えていない。
 また、私立人気ということであるが、公立も私立も両輪体制で今までやってきているので、私立の学校にも一定数の子供を確保していくことも考えなければならない。そうした場合に、子供が大きく減っていく中で、県立高校の減少を加速させる可能性もある。我々としては、再編のシミュレーションをしている。今、地域や学校名を言うことはできないが、現状で分かる限りで地域、学校を特定したシミュレーションもしている。それに向けて今から10年、15年向こう、子供が、特に10年から15年ぐらい先になると大幅に減っていくので、そういったことを見越して、これから毎年検討して進めていく。全体計画として示すことはないが、個別に検討して、個別に発表して進めていきたい。

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