令和8年教育・スポーツ委員会 2026年3月17日
【富田昭雄委員】
私から一点質問する。
労働力の需給ギャップで、これから理系が足りなくなるという話だが、ようやく国も重い腰を上げて予算をつけた。いわゆるネクストハイスクールとDXハイスクールで3,000億円の予算をつけている。
ネクストハイスクールは2,955億円つけており、1県、大体60億円だと聞いている。今年5月までに早急に申請しなければならないと聞いているが、どのくらいの学校を対象に、どのような流れでこの予算が確保できるか聞きたい。
【あいちの学び推進課担当課長(教育改革)】
ネクストハイスクール構想についてだが、国のグランドデザインを踏まえて、来年度に各都道府県が実行計画を策定し、それに対して国が交付金等により財源支援をすることとなっている。
しかしながら、その実行計画の形は、例えば、具体の学校名までを挙げるものなのか、総論的なものにするのかということは、まだ文部科学省から示されていない。4月にそのひな形が示される予定となっており、具体的にどのような形で策定するか、つまりどのような学校を対象にするか、そして、どのように財源が支援されるのかは、今現在、私たちとして言うことはできない。
ただし、対象とする取組例は国から示されているので、そういったものを基本として、全ての学校を少なくとも検討の対象にしていく。
また、実行計画策定に先立って、文部科学省が今年度の補正予算として計上した補助金を活用して、国が示す三つの類型、アドバンスト・エッセンシャルワーカー等の育成、理数系人材育成、多様な学習ニーズに対応した教育機会の確保に応じて、パイロットケースとして先導的な学びの在り方を構築する改革先導拠点校を創出していくが、その申請に当たり文部科学省から示された公募要領によると、改革先導拠点校の取組成果は県内の高校に普及できること、県から申請できる学校数は4校まで、1都道府県当たりの申請上限額は、62億円程度とされている。
施設設備の整備もソフト的な経費とともに取組の趣旨に合致していれば対象となるが、4校で62億円の額を、事業期間は来年度から2028年度までの3年間とされている。こういった条件と制約がある中で、申請したものが国に審査されて採択の可否が決定される。
ただし、せっかくのこの補助金であるが、申請期限は5月までとされており、2月の中旬に踏まえるべきグランドデザインが示されたばかりのところである。期間的にもタイトではあるが、十分に活用できるように、現在、懸命に学校の選定、取組内容の検討をしている。
【富田昭雄委員】
潤沢に予算があるようだが、中途半端な予算だ。DXハイスクールは、全国で1,000校から1,500校であり、愛知県でいうと30校ぐらいの話である。
拠点校が4校だと言っていたが、4校で割って15億円か20億円を使って、校舎を丸ごと変えるみたいな話だと思うが、その4校をどうするかという計画を出すのか。60億円を使い、その4校で何か変えるとしたら、ゆくゆくはどのような裾野で波及させていくか構想はあるか。
【あいちの学び推進課担当課長(教育改革)】
60億円、4校で大変な金額である。この4校で均等割しなければならない、必ずしも4校でなくてはならないということにはなっていない。三つの分類が網羅されていれば、1校でも構わないことになっているが、愛知県としては、今のところは4校で検討している。どのようにその取組を波及させていくかということも今現在検討している。今、具体的に言うことはできないが、理解してほしい。
【富田昭雄委員】
なかなか答弁が難しいところだろうが、頑張って4校を獲得して、例えばエッセンシャルワーカーを育成する専門の学校など、特色のあるものにし、波及するようにしてほしい。
また、例えば、2040年に愛知県において理系人材が不足する目算があれば、それに向け対応策をつくっていかなければいけないが、これから愛知県はどのように取り組んでいくか。
目標値は目標値でしっかりつくっていかなければいけないと思うが、その点はどうか。
【あいちの学び推進課担当課長(教育改革)】
理系人材の不足だが、経済産業省が示した2040年の就業構造の都道府県別推計によると、愛知県においても大卒、大学院卒の理系の人材が約3万6,000人不足するとの見通しが示されている。
また、文部科学省のグランドデザインにおいても、全国の全日制、定時制の普通科高校に在籍する生徒のうち、約半数が文系、約3割が理系、残り2割弱は文理のコースの分けなしという現状が示された上で、将来的には文系、理系の区分がなくなることを目指しつつ、2040年の時点では文系の生徒と理系の生徒の割合が同程度となるよう改革を進めることが目標とされている。
本県においてもこの目標に向かって、まずは理数系人材の育成に対応する改革先導拠点校において、探究・文理横断的な学びの充実に取り組み、それをほかの公立高校へ波及させることで、生徒の理数分野への関心を高めていく。
【富田昭雄委員】
高校の場合、文系と理系の人数が、普通科の中で分かるようになっているのか。何を根拠にこの人は理系だというのか。
【高等学校教育課担当課長(教科・定通・職業指導)】
高等学校教育課で調査している。県立高校の全日制課程で文系、理系を選択するが、普通科の第3学年において、文理別の学級編成を行っている学校に対して調査を行ったところ、文系が約6割、理系が約4割という調査結果がある。
【富田昭雄委員】
2040年に向けてしっかりと目標が設定されたところだが、実際に目標どおり前に進むか、教育長の所見を聞きたい。
【教育長】
文部科学省が示した今回のグランドデザインは、2040年を展望してつくられた。しかしながら、今数字の話も出たが、将来に向けた社会を正確に予測することは大変難しく、また、どのような未来が訪れるかということはなかなか分からないものである。
今、理系の話が出たが、従来型の我々の評価指標の一つである、知識をどれだけ多く持っているか、あるいは正確な答えをどれだけ早く出せるか、そのような評価指標を超えたところ、例えば、自分で問いを立てる力、その問いを自分で探っていく、その段階で他者と協働しながら、よりよい答えあるいは新しい価値を創造する力が、恐らく子供に対して社会から求められてくると思う。我々としては、そのような力を子供たちがしっかり身につけることができるように、今回の高校教育改革を進めていく。
また、私の守備範囲を越えるが、恐らく高校の出口の部分が重要になってくると思う。大学入試、あるいは企業の採用が変わってこないことには、このような改革は進まないと思う。子供たちを取り巻く環境の変化も我々はしっかり意識しながら取り組んでいく。
そして、これはただ県教育委員会だけでやる問題ではなくて、恐らく知事部局も一緒に、そして企業、産業界、大学、研究機関、地域社会、関係者を巻き込んで連携、協働し、高校教育改革をしっかりと進めていく。
